さいたま国際マラソン2018
準備不足のはずがまさかの好結果。トレーニングについて再考することになるレースとなった。
常識を疑うきっかけとなる。
10月28日の手賀沼エコマラソンを経て、
ダメージが大きかったので休養を挟みつつ、準備するはずが、
11月前半が忙しくなってしまう。
なんとか帳尻を合わせ、11月18日の越谷レイクタウンランニングの10kmで、
久々の38分台前半となる、38分29秒と好タイムを出せたところまでは順調だった…。
その後、走るどころではない、どうしようもない事態が続き、
11月21日~29日の9日間走れない間を経て、12月9日のフルマラソン。
11月半ばに落ち始めて来ていた体重も、
深夜PCに向かいつつ、ストレスで飲み食いしていたこともあり、
当日朝の体重も67.8kgと重め。
…誰が見ても準備不足だ。
よほど終盤失速しない限り、
普段のジョグのペース、5分/kmの3時間30分は大丈夫だろうと思い、
5分/kmをちょっと切るくらいのペースで行って、
あわよくば3時間20分くらいまで持って来れれば、
というレースプランを建てる。
どうせ好タイムは望めないので、
普段と違うことを試そうとも決める。
・前半はとにかく抑えてネガティブスプリットを狙う
・厚底のズームフライをフルマラソンで試してみる
17歳の時の初フル以来、後半失速しなかったレースが一度もないことと、
越谷レイクタウンランニングでレースで使って感触が良かったズームフライを、
フルマラソンでも使えるかのテストとして。
今日は気楽に楽しもう。
悪い中でもできることをやろう。
そう考えてスタート地点に立つ。
最初の1kmは5分でいいと思っていた通り、
ジョグのような感じでスタートする。
5kmまでとにかく抑えていこうと、
長い距離をのんびり走るトレーニングのつもりで行く。
5kmの通過は24分34秒。
24分でいいと思っていたけど、
いくらなんでも遅すぎたかな…。
先は長いので、30km~40kmの10kmで1分取り戻せばいい、
…と思っても簡単にできないよなーと。
それでも10kmまではこのまま行こうと考える。
体があったまって、自然にペースは上がるだろうと。
5km~10kmのラップは23分43秒。
だいたい23分30秒くらいのペースに落ち着くかなと思っていたので、
ほぼ想定通り。
細かなアップダウンがあるがあまり気にせず、
気温は低いが5km毎の給水でスポーツドリンクを取ることだけ決めて進む。
10km~15km。
30分前にスタートしている女子の先頭とすれ違うのを楽しみにしつつ、
レース観戦のため(いや、自分も参加者だが…)、
中央分離帯側で淡々と走る。
調子が悪い時はこのあたりで少し足にだるさを感じるが、
ペースが遅いためか、今日は全く疲れていない。
この5kmは23分08秒。
想定よりやや速いペースだが、
全く力を使っていないので、そのまま進める。
後半に備えて15km手前でスポーツようかんを1つ食べる。
15km~20km。
暇になってだんだん飽きてくるも、
とにかくペースを上げないことだけを考えて走る。
このあたりで、1km毎の距離表示の位置が少々のずれから、
滅茶苦茶になりはじめてくる。
GPSで計測せず、距離表示を頼りに手動でタイムを取っていたのを後悔。
まだ疲れはないので、今日は後半期待が持てそうな気がしてくる。
この5kmは23分19秒とほぼ予定通り。
20km~25km。
ハーフを1時間39分48秒で通過。
1時間40分くらいで行けるといいな、
と思っていたので、順調な感じ。
最初の5kmが遅かった分を差し引くと、
後半失速しなければ、4月のかすみがうらで出した、
3時間18分22秒(後半大失速した結果…)が視野に入ってきそう。
…多分調子が良い。
直前あまり走れなかったのが良い休養になったのか。
ペースを上げたくなるも、
いつもは25kmから辛くなるので、
あと5kmまだ我慢、と言い聞かせる。
25km手前で2本目のスポーツようかんを食べ、
後はゴールまで行くだけと、やっとテンションを上げる。
この5kmは23分02秒。
25km~30km。
途中、30km~35kmで最速ラップを出せたらかっこいいな、
ランナーズアップデート観てる人達おどろくだろう、
と夢物語を考えていたけど、現実味をおびてくる。
個人的鬼門の25kmは超えた。
自然とペースも上がってきているのがわかるが、
1kmごとの距離表示が不正確で、正確なタイムがわからない。
おそらく23分くらいでいっているんじゃないか。
残り12.195kmを4分30秒/kmを切ってくると、
まさかの3時間15分切りの可能性が出てくるんじゃ?
と欲が出始める。
30kmから上げていこうと思いつつも。
流行る気持ちを抑えられないのと、
3時間15分切りを狙うなら、このあたりから行くしかないと、
ようやくレースをしている気分になる。
この5kmは22分40秒だったが、
レース中は23分くらいだと思っていた。
30km~35km。
こんなに集中して走っているのは現役時代以来じゃないか。
周りの人達と全くペースが違うので、
多くの人が歩道側を走る中、
中央分離帯側を1人、前を走る人をどんどん抜かしていく。
GPSで表示されるペースが4分20秒/kmあたりを示している。
沿道の距離表示は全く機能していない。
この5kmを22分30秒を切ってきたらすごい、
と思いつつ、おそらく22分前半くらいで行けたんじゃないかと思う。
…レース後に知ったラップはまさかの21分46秒。
1km毎に時計押してるので、5km間のタイムを把握していなかった。
その1km毎の距離表示も間違っているので…。
35km~40km。
前を走る人との差が詰まらなくなってきて、
ペースが落ちているのを自覚する。
35kmまで行けば、あとの7.195kmは必死に粘ればなんとかなるだろう、
と思っていたが、やっぱりそんなに甘くない。
前半は全く気にならなかったはずのアップダウンだが、
37km地点の陸橋の上りが辛く、そこからペースダウン。
それでもなんとか4分台/kmのペースを維持して、
この5kmは23分06秒。終盤の5kmとしては立派なラップだ。
40km~ゴール。
ラスト2.195kmを9分46秒で行けば3時間15分を切れる。
4分30秒/kmくらいなので、チャンスはある。
…ここまで10分あれば行けると思って来たが、
体が限界なのを悟って諦めつつ、
なんとか足を進め、3時間15分56秒でのゴール。
後半ハーフを1時間36分08秒と、
前半より3分42秒も伸ばしての好タイム。
走る前はこんなレースになるとは全く想像していなかったのと、
タイムもそうだけれど、後半の内容が抜群だったので、
かなり自信になったレースだった。
好結果だったので、直前のトレーニングを振り返ってみる。
まずは9月のトレーニングから。
6~8月があまり良いトレーニングが出来ていなかったので、
8月終盤から一気にトレーニング量を増やした。
ポイントは9月8日の山道最速王決定戦。
暑い時期とはいえ、前年の3月のタイムを下回り、
状態上がって来ないな、と。
その後中旬に体調がイマイチで休む日が増えるも、
かなり走りこめた一か月。
序盤は距離を走ることを目標に量をこなすも、
10月7日の流山ロードレースで、まさかの大失速。
季節外れの30度を超す猛暑もあったけど、
とにかく体が動かなかった…。
その後、トレーニング方針を変える。
距離を意識するのは自分に向いてないなと思い、
その日その日のフィーリングを大事にしながら量を落とす。
キーポイントになったのは10月23日の10km。
流山が悪かったので、手賀沼前にスピード練習を入れてみた。
10kmを41分21秒と、練習としてはびっくりするタイムで、
状態が戻ってきていることを確認。
そして10月28日の手賀沼ハーフは、
好調だった前年より18秒だけ遅いタイムで、
ようやく本調子に戻ってきた。
…トレーニング量よりも、
回復の重要性を理解した一か月だった。
手賀沼の後、ダメージが大きかったので思い切って休む。
トレーニング開始直後に、会食等が重なり、さらに走れない日が続く。
11月9日から本来のペースに戻ってくる。
ちょっと走れない期間が長くなってしまったのと、
そろそろスピード練習も入れてみようということで、
11月13日にアップダウンのあるコースで5kmのタイムトライアル。
19分08秒と好タイムで状態の良さを確認。
11月18日の越谷レイクタウンランニングの10kmでは、
極寒の昨年より天候が良かったこともあり、
昨年を上回る38分29秒。
…ここまでは順調だった…が、
その後いろいろと重なりトレーニングどころではなくなる。
ようやく11月30日からトレーニングを開始するも、
忙しくて全く距離が踏めず、ぶっつけ本番のような形で、
12月9日のさいたま国際。
これでまさかの好結果とは…。
トレーニングデータを見ると、
なぜかトレーニング量とレース結果が反比例している。
9月、10月の走り込みの貯金が効いて、
疲労が抜けたのが良かったのか、
そもそもそんなにトレーニング量が必要ないのか、
考えさせられる結果になった。
考察として2点。
1. 長距離のトレーニングは必要か?
ここ数ヶ月ハーフ以上の距離を一度も走っていない。
これまでの後半の失速の原因はオーバーペースで、
序盤抑えれば持つのかもしれない。
長い距離を走ると回復が遅れるので、
余裕をもってハーフくらいでやめて、
休養期間を短く次の練習につなげる方が効果があるのかも、
などと考えてしまう。
30km走れた、という自信が必要とも聞くけど、
余裕をもって20km終えられれば、
行こうと思えばいつでも30kmは行けるよ、
という自信になるのかも。
今後のレースまでのアプローチの中で、
色々検証してみたいと思う。
2. 「1日休むと取り戻すのに3日かかる」は嘘
昔よくいわれたけど、怪我明けの選手の復帰状況みると、
そんなことないよな、と思っていた。
けれど、中学生の頃は、1日でも休むと心肺機能が落ちると思って、
レース前日に走らないことが不安でしょうがなかった。
高校生になって、前日は完全休養の方が状態が良いことに気づくも、
週に2日休むとやっぱり不安になっていた。
けれども、大人になって、限られた環境の中でやっていると、
数日という短期間では、筋力や心肺機能は落ちないことがわかってきた。
トレーニングを継続できないと不安だったけど、
ノルマのように毎日続けるより、
気が乗らない時は休んでしまって、
その分、練習強度が高い日、
いわゆるポイント練習を入れて、
きちんと超回復させていった方がいいかもしれない。
一定のことを毎日続けるより、
強度のメリハリと休養の組み合わせを考えていきたい。
トレーニングができてない中、
たまたま好結果が出たけど、
偶然なのか、こういうパターンもあるのか、
今後色々検証していきたいと思う。
単純に走るだけだけど、奥が深いなぁ…。